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聴衆のほうも、関心はあるが学術論文などは読んでいないような人が来る。
実をいうと、インフルエンザワクチンの有効性を論じる論文は、デザインも解析も、疫学がわかっていないとなかなか理解できないものらしいだから、反対派はデータを曲解してワクチン接種に反対し、聴衆もわからないものだからそれを信用して、結果「インフルエンザワクチンの有効性は、まだはっきりしていないんだ」と思うという悪循環が繰り返される。
インフルエンザワクチンについては、長い間ワクチンを打ったことのない基礎系のウイルス学者がワクチンの有効性までコメントする。
その人たちはインフルエンザウイルスの専門家ではあるが、ワクチンの専門家ではない。
しかし、一般の人たちはわからないのでインフルエンザ専門家として話を聞く。
その「専門家」はワクチンは効かないという報告が出ると、研究デザインの誤謬を見抜けずに、抗原変異を起こしやすいので効かないのだろうと、一見もつともらしいことをいうので話はよけいにややこしくなる。
ほとんどのウイルス学者は以前、インフルエンザワクチンは効かないと言っていた。
社会がインフルエンザをどうとらえるか日本では、かぜとインフルエンザが混同されているが、それは言葉の使い方にも現れている。
日本語では、「かぜをひいた」と「インフルエンザにかかった」という言い方は明確に分けられてはいない。
「かぜをひいた」の中に「インフルエンザにかかった」最近、ようやく効くというようになったが、それでもウイルスの専門家はワクチンを実際に打ったことがないものだから腰がひけて、エクスキューズ(言い訳)のつもりで「稀にではあるが重篤な副反応が起きることがある」と必ず最後に付け加える。
そのひとことがまた誤解を生むもとになる。
そもそもワクチンがきくとかきかないという研究はウイルス学者の域を越えている。
それなのに、ちょっと前まではマスコミも一般の人もウイルス学者に臨床のことまで聞いていた。
ウイルス学者のほうも答えなければいいものを、聞かれるものだから答えた。
専門家というものは専門のこと以外はコメントしないものだが、なぜかインフルエンザだけはウイルス学者がワクチンの有効性についてもコメントしていた。
それがワクチンについての誤解を生んだ大きな原因の1つである。
だからこんな笑い話が生まれる。
日本に来たアメリカ人が「かぜをひいた」というと、同僚は「かぜは万病のもと。
医者に行きなさい」と言う。
アメリカ人は「たかが風邪なのに、どうして」と不思議がる。
反対に、日本人がアメリカに行く。
ひどい熱が出る。
体もだるい。
そこで会社に電話をする。
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